3-2.リモコンキーの電池交換(’24.12.24)
《スズキ ハスラーMR31S・ソリオMA15S》
リモコンキーの電池交換なんて取扱説明書に書かれているので、ここで記載する必要なんかないと思っていましたが、様々な条件が重なり、ちょっとしたパニックに陥りましたので、改めて記載することにしました。
先日のある冷え込む朝(気温2℃でした)、出勤時刻が近づいてきたので、車のドアを解錠しようとリモコンキーを操作しましたが反応しません。何回やっても無反応。『寒いからか?』と疑問に思いながら、それならばとスペアキーを持ち出して操作しましたが、こちらも同じく無反応。記憶をたどると確か4~5日前、メーターのディスプレイに『リモコン電池要交換』のメッセージが表示されていたことを思い出しました。その後も問題なく使用できていたため、すっかり忘れていました(メッセージは表示され続けていた?単に見ていなかっただけ?)。ただ、今はそんなことどうでもよく、出かける時間が刻々と近づいています。
電池のストックあったかな…ストックの確認以前に、型番が分からない😵💫
電池交換するか…いやっ、交換している時間なんてない😵
とりあえず、型番だけでも確認しておくか。取扱説明書は…あぁ、車の中だ😨
スペアキーに格納キーが付いていたよな…でもドアに鍵穴ってあったか?🥵
ドアを格納キーで開けたときはきっと警報装置が作動するよな…日の出前なのに近所迷惑だよな😱
ドアが開けられても格納キーを使ってエンジンは始動できなかったよな…どうやるんだ?💀
焦るばかりで『遅刻』という文字が頭をかすめます。無意識にカチカチとリモコンキーのボタンを押していたら偶然にも作動表示灯の赤い光を確認(リモコンを握り続けていたため、電池が少し温まったのでしょうか)。
ガシャっという音。何とかドアの解錠ができました🤩
エンジンは始動するか?エンジンスイッチを押すと始動しました😍
何はともあれ、家を出ます。幸いにも遅刻せずに済み、出先の休憩時間中に取扱説明書を開いて電池の型番を確認します。交換する電池は”リチウム電池CR2032″でした。ストックがあったか?思い出そうにもコイン・ボタン型電池等の交換は最近行っていないので、どの電池が残っていたのか全くおぼえていません。幸いにも早めに仕事が終わったので、直帰して電池のストックを確認、無ければ改めて買いに出掛ける時間はあります。
家に戻ってすぐに電池の確認です。一度開封した跡がありますが、未使用のCR2032が2個残っていました。もう一台のソリオのリモコンキーも同タイプだった記憶があり、以前に電池交換をやった覚えがありますが、何かほかの電子機器の電池交換にでも使用したのでしょうか?まぁ、とにかくストックがあってラッキーでした。経験上、難易度は低い作業ですので、電池交換なんてささっと終わらせてしまいましょう。
今回の最高知識
電池の一般名称について
ボタン型電池やコイン形電池の一般名称は ”△□〇〇◎◎” という順に並んでおり、△は『電池系』、□は『形状』、〇〇と◎◎は『寸法』を表すようです。今回使用した”CR2032″を例にとると
・△『電池系』の”C”は、国際電気標準会議(IEC)によって定義された小型電池共通の英数字コードで、以下の電気化学的系統を表すそうです。”C”以外に”B”[フッ化黒鉛]の場合もあるようです)🤯
正極(陽極):二酸化マンガン
電解質:有機
負極(陰極):リチウム
公称電圧:3
終止電圧:2.0
・□『形状』の”R”は、円形(円筒型)を示すようです。そういえば、”R”以外を見たことがないですね。
・〇〇◎◎『寸法』は、前半2桁の”20”が直径(mm単位)を、後半2桁の”32”が高さ(0.1mm単位)を表すとのことです。つまり、『直径20.0mm、高さ3.2mmの円形二酸化マンガンリチウム電池』ということなんですね。
(コイン形リチウム電池 出典: フリー百科事典『ウィキペディ(Wikipedia)』)
リモコンキーの電池交換 必要なもの
- 交換用電池
- マイナスドライバー
- ウェスなど


キーホルダーからリモコンを取り外し、格納キーのロックレバーを解除します。レバーの解除方向はリモコンの外側(上左写真の指が示す方向)です。レバーを引きながらリングを引っ張ると格納されているキーが抜けます(上右写真)。
次に、リモコンを縦2つに分割しますが、取扱説明書にはリモコンキーの内部ユニットがバラバラになる可能性があるので、ロックレバーがある方を上向きにして作業をするように書かれています。そのままの状態で作業を続ければ問題ないのですが、念のため。


ここでマイナスドライバーの出番です。ドライバーを格納キーが納められていた穴に差し込み、慎重に回転させて分割します。テコの原理ですね。ドライバーを差し込む位置は、上左写真の精密ドライバーが示すところです。実際に見ればわかりますが、あまり太いマイナスドライバーだと入らない可能性があります。リモコンに傷がつかないように布切れなどを挟んで作業することをお勧めします。今回はティッシュペーパー片をドライバーに巻き付けて作業しました(上右写真)。

ドライバーを回転させると格納キーが納められていた穴のツメが剥がされて少し開きます。そのまま位置をずらしながら2つに分割していきます。

2つに分割できました。外周面沿いにごみが溜まっています。

ひょっとしたらと思い、ひっくり返してみたら予想通り10年来のごみが溜まっていました。エアーダスターでごみを吹き飛ばすも結構頑固です。
きれいになったら、組み戻しながら電池を交換します。小さな開閉ボタン部は上下がどっちだったかわからなくなった!と一瞬思いましたが、分解前のスペアキーがありました。見本があって一安心!もっとも、この2つのパーツは似ていますが微妙に形が異なるので、位置が違えば収まらないことが後で判明。心配無用でした。

掃除が済んだら組立てます。開閉ボタンパーツは微妙に形状が異なりますので、きちんと収まることを確認しましょう。



古い電池を取り出します。ノートパソコンの内蔵電池交換のときもそうですが、傷をつけたり電池をショートさせないためにも、いい加減にプラスチックピンセットを購入したほうがいいと思っていましたが、今回も代用品で済ませてしまいました(また購入のタイミングを逃しました)。食パン等の袋をとめるバック・クロージャーがたまたま近くにありましたので、これを使って取り出しました(上左写真)。実際に電池交換される方は、引き続き使用していたマイナスドライバーで古い電池を取り出してください。新しい電池は幅がやや狭い2つのツメへ斜めに差し込みます(上中写真)。新しい電池を扱うときにピンセットを使用する場合は気を付けてください。+-を挟むとショートしてしまいます。素手で触れるときも薄くて持ち難いのですが、電池の側面だけを掴むようにしてください。あとは上から電池を押し込めば定位置に固定されます(上右写真)。


上左写真が今回交換用の新しい電池(リチウム電池CR2032)です。念のためですが、電池のプラス側(+と刻まれている真っ平な面)が上方を向いているかを確認してください。これで電池の交換は済みました(上右写真)。あとは残ったパーツを逆の手順で組み戻していくだけです。



格納キーが納められていた穴とは反対方向のツメの位置を確認して組付けます(上左・中写真)。格納キーが納められていた穴の方に向かって分割されたパーツを貼り合わせる感じで押さえていきます(上右写真)。

全体を押さえて、”カチッ”という音がして確実にはめ込まれたことを確認します。ケース合わせ部のすき間が均等になっているはずです。

最後にキーを格納します。キーの形状からどちらの向きに挿入するのかは一目瞭然ですね。

作業終了です。全体を見たら、ロック解除レバー部の汚れが目立ちます。ついでに爪楊枝とティッシュペーパー片で清掃しておきます。ここも10年間見て見ぬふりをしていました。
さあ、これで電池交換が完了しました。問題なく作動するはずですが、また出勤直前に作動しなかったらシャレになりませんので即確認です。
??❔❓ 反応しません… 何回解錠ボタンを押してもダメです。作動表示灯の赤い光も確認できません。電池がそこそこの長期保管品だったか?いや、そんなはずはありません。交換前にテスターで残量は確認済みです。考えられるのは電池がしっかりと収まっていなかったぐらいしか思いつきません。仕方なく、もう一度分解して電池の収まり具合を確認します。

当然作動するはずだと思っていましたが、予想に反して反応がありません。作動表示灯も確認できません。納得できませんが、同じ手順で再度分解、電池の収まり具合を確認します。
再度分解して電池の収まり具合を確認しましたが、目視ではしっかりと収まっているように見えます。念のため、もう一度上からしっかりと押さえます。原因はこれ以外に考えられませんので、ケースを確実に組み戻して再度確認してみます。が、やはり作動しません… しかし、解錠ボタンを3回ほど押し直したあたりから作動表示灯が点滅し、ドアロックが解錠されました。その後は、ボタンを押すごとに開錠と閉錠を繰り返し、通常の動作が行われることになります。
一体何だったのでしょうか?改めて取扱説明書を開いてみました。すると、『携帯リモコン電池消耗警告のリセットのしかた』という記載があります。どうやら、警告が表示された場合はリセットが必要なようで、電池交換後に”ドアの施錠・解錠を2回以上繰り返す” という操作が必要とのことでした(また出勤時にパニックを起こすところでした)。ちなみに、スペアのリモコンでも警告はリセットできるそうです。年齢を重ねると同時に時代も変わってきます。今まで当たり前だったことが少しずつ変化していることを忘れがちです。最近の自動車は以前とは変わった点が増えてきており、運転するのに少し戸惑うことが多くなってきました。先ずは取扱説明書をよく読む必要があるようです。
『リモコンキーの電池交換はスペアと一緒に』とよく言われますが、以前から、同時に電池交換したら電池切れになる時期が重なる可能性があるのではないかとちょっと気になっていました。今回は、どちらのリモコンキーも電池切れでパニック状態となり、それを実証することになってしまいました。警告があったら速やかに交換しておくべきでした。次回からは気を付けることにます。
3年前の車の点検時に、やはり『リモコン電池要交換』の警告が表示されていたようで(当の本人は気づいていませんでした)、ディーラーから電池交換を勧められました。当時、仕事が忙しかったこともあり、言われるがままにまとめて交換してもらいましたが、あれからちょうど3年でこのザマです。電池の寿命は使用状況にもよりますが、約2年といわれていますので(実際には3年程度持ちました)、電池交換の時期をメインとスペアで1年程度ずらした方がいいのかもしれません。出番が極端に少ない(全くないことも?)スペアは、電池交換を忘れるというデメリットも当然ありますが、交換時期を記録しておけばいいわけですよね。ほんの少し手間が増えるだけですので、最悪のパターンを避けるためにも検討する価値はあると思います。最後に、リモコンキーが使えないときのエンジン始動方法をスズキハスラー(MR31S)で確認しておきます。
リモコンキーが使えないときのエンジン始動方法


リモコンキーから外した格納キーでドアを開けます(上左写真)。鍵穴は運転席側のドアにしかついておらず、助手席側のドアに鍵穴はありません(上右写真)。警報音が鳴るタイミングは車種やメーカーによって異なるようです。スバルのステラ(DBA-RN1)では、リモコンで施錠した場合、リモコン以外で解錠した途端に警報音が鳴った記憶がありましたので、恐るおそるキーをひねりましたがハスラーでは警報音は鳴りませんでした。さらにドアを開けてもまだ大丈夫。あれっと思い、運転席に乗り込んでドアを閉めたところで警報装置が作動して警報音が鳴りました。ドアを開けっぱなしにしておけば警報は鳴りませんが、エンジンスタートボタンを押すと鳴るようになっています。当然ですが、このときエンジンは始動しません。
メーターのディスプレイに『リモコンをスタートスイッチに当ててください』と表示されますので、焦らずにリモコンをスタートボタンにタッチしてボタンを押せば警報音は止まり、エンジンが始動します。このとき、ボタンにタッチするリモコンは電池切れの状態でも大丈夫でした。なお、格納キーはドアを開けるためだけに使用されます。全車種を確認したわけではありませんが、警報音はエンジンが始動すれば止まるみたいです。

警報音が鳴っていますが、焦らずスタートボタンにリモコンをタッチしてから押せば警報音は止まり、エンジンが始動します。写真は電池が切れているリモコンを使用しています。