大部分がはめ込み式?ヘアドライヤーを分解

2-4.廃棄予定のヘアドライヤーを分解(’25.3.30)

《KOIZUMI KHD-9310》

 左の写真は、廃棄予定のヘアドライヤー(コイズミ KHD-9310)です。割と短期間でドライヤーの不調が発生すると感じたので調べてみましたが、一般的なヘアドライヤーの使用時間目安は130〜140時間で、およそ3~4年が平均寿命のようです。ということは、特に寿命が短かったという訳でもなかったようです(寿命はもっと長いものだと勝手に思っていました🤔)。この一つ前のドライヤーは電源コードの断線で自己修理をした後、さらに断線以外の不具合が生じたので分解を検討したことがあります。二つ前のドライヤーも何かの不具合で分解しようとしたことがありましたが、結局どちらも分解できないままで終わっていました。今も一昔前もネジ止め箇所が極端に少ないので、ほとんどのパーツがはめこみ式となっているだろうと推測していました。ツメの位置が不明なので、傷だらけになることを想像すると分解することにも消極的にならざるを得ません。
 今回は異音がするということで買い替える予定のようです。廃棄処分するなら、大部分がはめ込み式で組み立てられているということを確認したかったので、分解してからにしましょうということになりました。念のため、分解前にスイッチを入れてみましたが、確かに吸込口のファンが周辺のパーツに触っているような音がします。こりゃ買い替え決定ですな(仮に分解できても修理は難しいと判断しました)。

分解開始

 まずは工具等を使用せずに素手で取り外せるパーツを外します。回したり引っぱったりして外れたのは吹出口に取り付けてある集風器のみでした(下写真)。

 素手で取り外せたのは集風器1点のみ… そのほかのパーツは全く取り外せる気配すらありません。
 もっとも、この集風器は付属品ですので簡単に取り外しができて当たり前でした。

 次に無難かつ確実に取り外せる場所は、ネジで固定されているハンドル部ですかね。ネジで固定されている場所は下写真の2箇所のみです。

 簡単に外せましたが、問題はここからです。本体にはパーツの合わせ目が見えていますので、そこで剥がれそうですが、ほかのパーツも組み込まれています。どう考えても一筋縄でいきそうもありません。吹出口と吸込口には合わせ目がないリング状のパーツで固定されていますので、どちらもはめ込み式と考えられます。先ずは吸込口(ファンが付いている方)から着手してみましょう。写真がありませんが(撮影を忘れていました🙇)、ファンのすぐ後ろに網状の樹脂製パーツがあり、外周の4箇所(2・4・8・10時の方向)にツメが付いています。外周沿いの網状の穴に細いドライバーか千枚通しなどを差し込んで持ち上げるようにして強引に引っ張り上げれば取り外すことができました。網状パーツを固定してあった方のパーツは、その形状からしてネジ式でないことは確かなのでマイナスドライバーでこじあけてみます(下写真)。

 マイナスドライバーで広げたすき間に、もう1本の細めのドライバーを差し込んで徐々にこじ開けていけばツメが付いている場所が確認できます(ドライバー1本だけでの作業は無理です)。

 網状の樹脂製パーツ同様、2・4・8・10時の方向に4箇所のツメとミゾが付いていました。このほか、6時の方向にガイドが入るミゾが1箇所ありました。
 写真の左側に見られるピンク色のメッキ調パーツは、何の引っ掛かりもなく外すことができました。

 吸込口のパーツ類が外れると、パーツの合わせ目が確認できないのは吹出口だけになります。このパーツ(下写真)を外せばすべて分離できるはずです。

 吹き出し口のパーツです。もしかしたらネジ式かもと思い、パイプレンチを使って回してみましたが、微動だにしませんでした。

 ネジ式でなければ、はめこみ式で間違いないでしょうということで強行します。再度ドライバーを2本使ってこじ開けます。

 ドライバーでこじ開けていくよりプライヤーやペンチで引っ張った方が早そうです。プライヤーで挟むときに、吹出口の網状金属製パーツがちょっと邪魔になりますが、今回は修理ではなく廃棄です。折れようが曲がろうが気になりません。
 内部に溜まっていた綿埃も一緒に出てきました🙈

 大変お見苦しい写真ですが、このパーツも例にもれず4箇所のはめこみ式でした。ここまでくると、もうツメというレベルではありませんね。

 さあ、これで本体の大部分を占めるパーツの合わせ目が端から端まで確認できるようになりましたので、全パーツ分離目前となりました。
 下(ハンドル)側の合わせ目にドライバーを差し込んでひねります。

 吸込口側は力を入れなくても簡単に剥がれました。ツメらしきものは確認できません。吹出口側にドライバーを差し込んでみたらツメが1箇所ありました。
 下(ハンドル)側のツメは1箇所だけのようです。

 下(ハンドル)側が外れましたので、反対側を剥がします。

 上のほぼ中心部にツメを見つけました。1箇所だけかと思いましたがもう1箇所あるようです。

 やはり、もう1箇所ありました。これで完全分離できそうです。

 やっとプラスチックパーツを全て分離することができ、異音の原因も判明しました。上左写真にある乳白色のパーツの内部にファンが設置されていますが、ファンの回転時にこのパーツの内側と接触していたようで、内部が傷だらけになっていました。「なぜ接触するようになったのか?」までは特定することはできませんでしたが(いずれにしろ修理は無理でした)、これで、どのように組み立てられているのかという長年の疑問が解決できてスッキリしました。上右写真は分解した成果です。例外もあるかもしれませんが、ヘアドライヤーは、基本的にほぼ全体がはめこみ式で組み立てられているということが確認できました。

 以降、余談になりますが、ヘアドライヤー不調の代表的な症状と原因を一覧にしてみました(下表)。

以下のサイトを参考にさせていただきました
楽天ビック ドライヤーの寿命は何年?危険な症状や長持ちする方法を紹介
SALONIA(サロニア) ドライヤーが壊れたかも!状態別に原因と対処方法を解説

 また、当製品の取扱説明書にはお手入れの方法として以下のように書かれています。 

吸込口についたほこりや髪の毛などは、やわらかい歯ブラシなどで取り除いてください。※こまめに(月1回以上)お手入れしてください。

一度もやったことがありません

 さらに、ヘアドライヤーの寿命を延ばすためのポイントをあげているサイトをいくつか見かけましたので、それらをまとめて代表的なポイントを以下に示しました。

  1. こまめに手入れする(ほこりや髪の毛を溜めない)
  2. 本体とコードは丁寧に扱う(本体破損・断線防止)
  3. 冷風にしてから電源を切る(ヒーター・モーターへの負荷軽減)
  4. 保管場所に気を配る(本体の劣化・破損防止)

 どれも、ほこりや髪の毛を溜めない・取り除くことについて書かれておりますので、それだけ不調の原因となる確率が高いのかもしれません。ヘアドライヤーが不調になった場合、溜まっていたほこりや髪の毛などを取り除けば解決する場合があるようです。しかし、それ以外では分解に結構な手間がかかり、なおかつ本体が傷だらけになることを考えると(下写真)基本的には買い替えを検討した方がいいようです。

 写真の左側にあるピンク色のメッキ調パーツをご覧ください。分解の初期段階ですが、既に傷だらけです。いくら気を付けてもはめ込み式の分解で傷をつけないことはほぼ不可能でしょう。

 経験からして、ドライヤーのほこりや髪の毛は、既に内部に入り込んでしまってから気が付く場合がほとんどです。取り除くためには、ある程度分解する必要がありますが、分解手順が分かっていなければ全くやる気が起きない作業です。そこまでやる人がどれほどいるでしょうか。溜まってから取り除くのではなく、溜まらないように予防(=普段から手入れを)することが寿命を延ばすことにつながるようです。

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