2-5.除湿機の断線修理と分解掃除(’24.8.25)
《CORONA CD-PI6310》
【一部に不快な写真あり】

2010年6月に購入したコロナの除湿機CD-PI6310。当時、家電量販店で特売品として販売。\15,000ちょうどで購入していました。
作業完了後に撮影しています。
上の写真は、我が家で冷蔵庫並みに活躍している除湿機(コロナ CD-PI6310)です。除湿機を使い始めて35年ほどになりますが、これは3代目になります。初代はシャープ製でしたが、2代目からコロナ製を使い続けています。1台の寿命を単純計算すると、十年くらいになりますね。3代目の購入日は2010年6月なので、もう14年になりますか。だいぶ年月が経っていますので、稼働したまま家を空けるのはちょっと心配になってきていました。
先日、稼働中に電源が勝手に切れるという話がありました。(直感💡で)ほぼ断線しかけている状態と考えられます。思い起こせば、14年もの間に何回電源コードに足を引っ掛けたことでしょうか。しかも引っ掛けているのは私1人だけではないはずです。
この除湿機の機能に不満はありませんが、機能以外に不満が1つあります。このタイプの除湿機に限ったことなのかわかりませんが、機械内部の掃除がしにくい、というか、基本的にできません(ヘアドライヤーと同じです)。外側から掃除機で吸い取るほかに方法がありませんが、ほとんど効果はない状態です。まともに掃除できるところといえば、フィルターだけなので、内部は14年間のほこりが積もりっぱなしです(でも、掃除できなくても故障はしていないんですよね…)。
買い替えも迫ってきているようなので、電源コードの補修に加えてこの機会に内部のクリーニングを実施しようかと思います。
分解作業開始
稼働しなければクリーニングしても意味がありませんので、優先順位は電源コードの修理が先になります(実際には、ほぼ同時進行でした)。
除湿機を稼働させたまま電源コードをねじったり折り曲げて断線していそうな場所を探ります。コードを折り曲げていると運転が停止してしまう怪しい部分を2箇所特定できましたので、マジックで目印をつけておきます。

断線していそうなところに付けた目印。
怪しい1箇所目をニッパーで切断、断線確認のため1~2センチ離れたところの被覆だけをカッターナイフでぐるりと1周刃を入れます。するとカットした部分でスポっと銅線が抜けました(下左写真)。断線の場所はほぼビンゴ🎯


2箇所目も同様に作業を進めると同じように銅線が簡単に抜けました(上右写真)。Wビンゴ🎯🎯 どちらも銅線の先端は一部が丸まっています。思った通り、2箇所で断線しかけていたようです。火災の原因になりかねませんので、今後、家を空けるときは除湿機を稼働させないなどの使用制限を検討する必要がありそうです。
もう少し苦労すると思ったのですが、意外にも簡単に断線箇所が確定されましたので、さっさと結線処理してしまいます。ケーブルのつなぎ方にはハンダ処理後に絶縁する方法や圧着スリーブで接続する方法などがありますが、今回は簡易的な接続方法で構わないと思いましたので、前者を選択しました。ハンダ処理をした後にブチルゴムテープを巻くつもりですが(下左写真)、ハンダ処理の写真を撮り忘れていました。《~作業状況写真中略~》


絶縁処理としてブチルゴムテープを巻き付けるほかに、熱圧縮チューブを使うことも検討しました。しかし、以前使用したときには、いくら加熱しても収縮しなかったという記憶ばかりで、熱圧縮チューブにあまりいい印象がありません。おそらく、熱源として使用したヘアドライヤーの熱が上がらなかっただけで、ヘアドライヤーに原因があったと考えられるのですが、どうもチューブの使用を控えがちになってしまう傾向にあります。下の写真は使用を検討した候補のチューブです。左側はエーモン工業さんの商品でMADE IN CHINA、材質は難燃性ポリオレフィン(?)、80~125℃で収縮と記載があります。右側は大創さんの商品でMADE IN TAIWAN、材質は難燃性ポリエチレン、収縮温度については ”ドライヤーで熱収縮” としか書いてありません。ヘアドライヤーも新しくなったことだし、次の機会があったら使ってみますかね。


今回の最高知識(ポリオレフィンとは)
プラスチックといっても色々な種類があることはご存知の通りで、ポリエチレンやポリプロピレンはよく聞きますよね。ペットボトルのラベルにはPETの文字が印刷されています。家電製品の電源コードの外部被覆(シース)にPVCやPEなどが使用されています。プラスチックの種類が違うのも、性質や特徴、製品の用途に適した素材を選んでいるのだろうということは何となく想像できます。今回、ポリオレフィンという言葉は初めて聞いたので、新しい素材なのかと思い、調べてみる事にしました。いい機会なので、プラスチックにはどれほどの種類があるのかもあわせて確認してみました。
結果からいうと、”ポリオレフィン”は特定の構造を持つ樹脂の総称のことで、代表例は”ポリエチレン”と”ポリプロピレン”だそうです。つまり、一つのプラスチックのことではなかったのですね。また、ポリエステルという言葉も高分子化合物の総称で、ポリエチレンテレフタレート(ポリエチレンテレフタラートとも呼ばれる)やポリブチレンテレフタレート等のことをいうようです(下図の『プラスチック素材の分類』参照)。

一般的によく使用されているプラスチックは約30種類程度あるようです。その中でも特に使われているのが、ポリエチレンとポリプロピレン(今回取り上げたポレオレフィン)、発泡スチロールで使用されるポリスチレン、塩ビ管(硬質ポリ塩化ビニル)やソフビ人形(軟質ポリ塩化ビニル)などでおなじみのポリ塩化ビニルの4種類で、『4大汎用プラスチック』と呼ばれているとか。この『4大汎用プラスチック』の中でも、最も多く生産されているのがポリプロピレンのようです。『4大汎用プラスチック』は日本で作らているプラスチック生産量の4分の3占め、ポリプロピレンだけでも全体量の4分の1を占めています。
以下のサイトを参考にさせていただきました
萩原工業 合成樹脂 製品ポータルサイト 「ポリオレフィン」って何かご存じですか?
大塚産業株式会社 プラスチック素材・材料の分類や特徴・使用例について
そんなことで結局、熱圧縮チューブを使わずにブチルゴムテープだけで処理して電源コードの修理を終えました(下写真)。

熱圧縮チューブの使用は、気が進まなかったため使用せず。ハンダ処理後に熱が取れてからブチルゴムテープを巻いて終了としました。
早速、本体の電源をオンにします。コードをひねったり、軽く引っ張ったりしても問題ありませんでした。これで電源コードの修理は完了です。
次は、本体内部のクリーニングに着手します。カバーを外すためには、見えているネジをすべて取り外します。

外側のカバーをすべて外した状態です。一部に隠しネジがありますので、探し出すのに少し苦労するかもしれません。内部に水が残っているのでウェスは必需品です。

熱交換器周辺の状況。14年間に積もったほこりの塊です。これにはさすがに驚きです👀

熱交換器の裏側にあるファンの近接写真です。ピンボケで申し訳ありません。

こちらは熱交換器の下にあるモーター部付近です。大量のほこりは以上の3箇所周辺で確認(本体全部だよ😩)。
ほこりを取り除くのに一番手間がかかりそうなのが、ファンの部分になるかと思われましたので、ここから掃除を始めていきます。掃除といっても、もう買い替えを検討している段階なので丁寧に行うつもりはありません。積もり積もったほこりを取り除く程度て済ませるつもりです。
まずは掃除機でほこりの塊を吸い取ります。努力しますが、除湿機ということもあり水分を吸ってしまって固まっているほこりは一筋縄では吸い取れません。そこで思い出したのが、夏前にエアコンの清掃を行ったときに作成した清掃用具です(下写真)。

すべて百均で揃えて自作したものです。エアコンの掃除のときは、この加工したプラフォークのカーブが効果絶大でした。今回も期待大です。
話はちょっと逸れますが、以前からずっと気になっていたエアコンの清掃。専門業者にお願いするにしても、デメリットもあるということが分かりました。自分なりに色々と検討した結果、業者に頼まず、自分で清掃をするという判断に至りました(エアコンの清掃についても、いずれ備忘録を公開するつもりでいます)。しかも洗剤等の液体もほぼ使用しません。そこで参考にさせていただいたのが以下の動画になります。写真の清掃用具の作り方については紹介した動画でご確認ください。自分自身も結構細かい性格だと思っていましたが、この動画を見たときは、頭が下がる思いでした。あわせて本機カバーの外し方についても参考にしたサイトを以下に示しました。
以下の動画・サイトを参考にさせていただきました。
エアコン送風ファン掃除DAISOの商品で…。
コロナの除湿機CD-P6311を分解掃除してみた | パティオ
さて、話を戻します。苦戦するかと思ったファンの掃除も清掃用具を転用してみた結果、想像した以上に短時間で終了させることができました。

エアコンの清掃時に使用した清掃用具を使ってみます。いいですね、痒いところに手が届く感じです。
あとは、熱交換器(フィン)に付着したほこりを使い古しの歯ブラシやつまようじなどで掃き出します(というより、はぎ取る感じと表現したほうが良いかもしれません)。フィンはアルミ製なので、あまりゴシゴシやると変形してしまうので力加減に注意します。最後にモーター部周りもほこりの塊をはぎ取ります。納得がいく程度にきれいになったらカバーの組み戻し作業に移ります。

残りのネジを取り付けて組み戻し完了です。
さあ、これで気分もすっきりしましたし、電源も勝手に止まることは無くなるはずです。余分なものが取れて少しは効率アップしてくれるのではないかと期待します。もう少し頑張っていただきたいものです。
悲報
修理・内部クリーニング後は、何事もなかったように活躍してくれていました。修理後、約7カ月ちょっとが経過したある日の夜、娘が「臭い、臭い」を連呼。何事かと思い除湿機が設置されている脱衣室に入ると強烈なケミカル臭🫢
除湿器の運転ランプは消え、運転は停止しています。窓を開けて換気しながら色々といじってみるもまったくの無反応。「あぁ、とうとうご臨終かも…」と思いながら詳細は翌日に調べることにします。
やや手慣れた手順で再びカバーや基盤やらを取り外して原因を探します。真っ先に考えたのがパーツの破損によるショートではないかと基盤類を確認します(下写真)。



予想に反して基盤類には異常が認められません。もう少しじっくりと観察を続けていると、カバーの内側に黒いすすのような跡が付いていました(下写真)。

原因と思われる痕跡を確認。
カバーの痕跡から位置を特定してみると…発見しました(下写真の赤丸)。見事に焦げています。『高電圧注意』と書いてあるパーツのようです。熱交換器関連でしょうか。これを見ればもう買い替えるほかに選択肢はありませんね。


修理後、約7カ月の延命措置という結果になりました。長年取り除けなかった多量のほこりがなくなり、効率が良くなった分、老朽化したパーツに負荷がかかったのでしょうか? それとも単にパーツの寿命か? 詳細についてはあまり深掘りするつもりはありません。寿命を全うしてくれたという気持ちでいっぱいです。
後継機検索(’25.2.3)
我が家にとって除湿機は必需品であり、冷蔵庫並みの稼働率です。早めに新しい除湿機を購入しなければならないものの、時代の変化もあり、以前とは違って様々な除湿方式があるようですし、購入予算も限られています。エネルギー価格が高騰しているこのご時世、当然、電気代も影響してきますので、改めて検討し直す必要がありそうです。
除湿器について、まず方式の違いがあることを知らなければなりません。十数年前と異なり、いつの間にかこんなにも除湿方式の種類が増えていました。以下に除湿方式とそのメリットとデメリットについてまとめてみました(下表)。
除湿方式 | メリット | デメリット |
---|---|---|
コンプレッサー方式 | ・梅雨時期や夏場の除湿能力が高い ・消費電力が少ないので、電気 代が安い | ・気温の低い冬場は除湿能力が 低下 ・稼働時の音が大きい |
デシカント (ゼオライト)方式 | ・コンプレッサーを使用しないため比較的軽量で、稼働音が小さい ・気温が低くても除湿能力が下 がりにくい | ・ヒーター搭載のため、室温が上がり夏場の使用は不向き。消費電力はコンプレッサー方式の2~3倍で、電気代が高い |
ハイブリッド方式 | ・夏場と冬場で除湿方式を切り替えて稼働するので、年間を通して高い除湿能力を発揮 ・除湿方式の切り替えで効率よく運転するため、ムダな電気代を抑えることができる | ・本体サイズが大きく、価格も 高め |
ぺルチェ方式 | ・構造がシンプルなためコンパクトで静音性も高い | ・除湿能力が低いので、広い部屋での使用には不向き |
上の表のほかに、第4の除湿方式「エコ・ハイブリッド式」なるものが登場しています。こちらはエコに特化したハイブリッド方式かと思いきや、全く異なる方式のようです。ハイブリッド方式のデシカント方式を空冷除湿式に変えてコンプレッサー方式と組み合わせたもので、除湿効率アップとエコを売りにしています。本体価格が高いという以外の情報量がまだ少なく、メリット・デメリットについてはよくわかりませんので、上の表には入れてありません。
以下のサイトを参考にさせていただきました。
失敗しない! 除湿機の選び方 – 価格.com
除湿機のおすすめ|選び方・おすすめモデルを紹介
除湿機の方式の違いと特長 – 衣類乾燥除湿機 – Panasonic
過去に使用してきた3台はすべてコンプレッサー方式でした。今回は新規購入する選択肢が広がりましたが、何をおいてもまずは予算ありきです。本体価格が高額なハイブリッド方式は真っ先に候補から消え、コスパを考慮するとデシカント方式も消えます。除湿機はリビングではなく、脱衣所で使用するのですが、さすがにペルチェ方式では能力不足と考えられます。そうすると、やはり使い慣れたコンプレッサー方式からの一択となりますか。脱衣所での固定使用ですので、稼働時の音はそれほど気にならないし、乾燥した冬場に酷使することもないので、コンプレッサー方式のデメリットは難無くクリアです。
コンプレッサー方式の除湿機をアマゾンさんで検索します。検索結果は700件ちょっと。怪しい商品を除外すると残ったのはわずか45件。ほぼ聞いたことのあるメーカーしか表示されていません。予算に加えて本体サイズや機能、デザイン等を検討した結果、CORONA CD-PI6310の後継機であるCD-P6324(¥21,800)とシャープ CV-R71(¥20,800)の2機種に絞られました。コロナ機のデザインや機能はほぼ変わりないので使い慣れているといえますが、シャープ機は除湿能力がやや上回ること(コロナが6.3L/日、シャープが7.1L/日)と、プラズマクラスター搭載だったのでこちらに心を動かされ、初代同様のシャープ製に戻ることとなりました。注文の前に、近くの家電量販店にも行ってみました。そこなら5年間保証が付きますので、少しくらい高くても検討の余地はあります。行ってみましたが何ということでしょう、コンプレッサー方式の除湿機が置いありません。ハイブリッド方式が数台あった程度で、しかも明らかに予算不足です。この時点でほかの家電量販店に行く気力が失せ、ネット注文決定となりました。念のため、ヤフーショッピングでも確認しましたが、送料込みではアマゾンさんが最安値でした(\1,850で5年の保証プランを付け、合計で\22,650となりました)。

シャープ 衣類乾燥除湿機 CV-R71-W コンプレッサー 方式 7.1L/日 コンパクトタイプ プラズマクラスター7000
サイズや稼働音に違和感なし。梅雨入りしてフル稼働状態です。購入してよかったと思える製品です。
今年も梅雨入りしましたが、すでにほぼフル稼働です。タンク容量が今まで使用していたコロナ機(3.5L)よりも小さいため(2.5L)、比較しにくかったのですが、やはり除湿能力は高めであることが感じられ、プラズマクラスター搭載により臭いも抑えられているようです。今のところ不満はなく、大変満足しています。